開業のきっかけーどうして受診したその夜に救急受診することが少なくないのか

ホームページを全面的に改定したので、開業当初のきっかけが伝えられなくなりました。
そこでこのブログのところで書いておきたいと思います。
私は若いころ大学病院からの派遣で、大阪市で最もこどもの救急受診患者さんの多い中野こども病院(現、大阪旭こども病院)に勤めていました。当時ですので、有給休暇も取ることなく若さに任せ、体力の続く限り昼夜診療に頑張っておりました。
もちろん子どもは、体力も免疫力も弱いので急変することもありますし、急に熱を出して親御さんの心配も強く、救急受診は当然多くあります。ただその中で、昼間に近くの先生に診てもらったのにもかかわらず、不安になってその夜に救急受診が多いことにも気付き、疑問に思いました。
風邪と診断されていて、内服薬も処方されている、でも夜間に救急受診となってしまう。救急外来で診察後も薬を追加することなく、病状説明だけで安心して帰っていただくことも多い。なぜ、遅い時間にわざわざ遠くまで受診に来ていただくことになったのか。
経験からわかったことは、昼間の先生の説明不足が原因ではないか。お医者さんは、風邪と診断すると発熱することもあるが、様子見ながら治るのを待てばよい、という思いで「風邪」と言って患者さんを送り出す。でも心配で受診する患者さんは、「風邪」と言われると大した熱もなく、さっと治るとイメージで思ってしまう。そこのギャップであることに気付きました。
それ以来、そのギャップを埋めるため、患者さんが多い時も説明不足にならないようにできるだけ心を配り、説明を重視するようにしました。そのキャッチフレーズが「少しでも少ない種類の薬を、それに代わる少しでも多くの説明で安心を持って帰ってもらう」でした。
それ以来当院は、混雑する時も過度に急いだ診療はせず、最近の受診患者さんの増加に対しても医師の数を増やし対応することを実施しました。それが月・木・土曜の2診制(診察医2人での同時診療)です。
予測が良い方に外れるのはまだ許せると思うのです。診察で予測できることがあれば絶対はないのですが、できるだけ説明して帰宅していただきます。予測に沿っていれば、想定内のことだということで少しでも不安少なく自宅で様子が見られると思うのです。ただし、もちろん不安な時は、その直感が当たっていることはよくあるので、熱がなくても遠慮なく毎日でも受診していただいてOKと思っています。
病気が早く軽快するするのが一番ですが、治るまで少しでも不安少なく様子が見られることも大切です。受診を遠慮して悪化してから受診することが一番避けるべきことです。これからも心配時には気軽に受診いただき、説明による安心を少しでも多くお持ち帰りいただき、治るまで少しでも不安少なく自宅で様子が見られるよう、頑張ってまいります。
それが当院ホームページ冒頭のキャッチフレーズです(^_^)

2023年08月28日